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熱力学におけるカルノーの定理とは、熱機関の最大効率に関する定理である。ニコラ・レオナール・サディ・カルノーの名にちなむ。カルノーの原理とも呼ばれる。 ==理論== 熱エネルギーを力学的な仕事へと変換するには、高温の熱源の他に低温の熱源を必要とする。そして、ある作業物質(空気など)が高温源から熱をもらったとき、そのエネルギーの一部が仕事Wとして使われ、残りの熱は低温源へと移動する。この時の熱効率は、 で表せる。もらった熱のうち仕事として使われる量が多いほど、効率のよい熱機関であるといえる。 このとき、以下の定理が成り立つ。 これがカルノーの定理である。 たとえば、一般的に蒸気機関は水蒸気を圧縮・膨張させて動力を得ているため、作業物質は水蒸気となる。カルノーの定理は、この水蒸気の代わりに他の気体(あるいは液体、固体)を使用しても最大効率は変わらないことを意味している。 ただし、最大効率を得るためには、熱機関は可逆でなければならない。ここで述べる「可逆」とは、熱から仕事を生み出したのと同じように、同じだけの仕事から同じ量の熱を生み出せる機関を指す〔山本(2009) 2巻p.241〕。すべての可逆機関は同じ効率を持ち、それ以外の熱機関は可逆機関の効率を超えることはできない。すなわち、 このことを含めてカルノーの定理と呼ぶこともある〔たとえば、芦田(2008) p.73など。〕。代表的な可逆機関として、カルノーサイクルがある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「カルノーの定理 (熱力学)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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